夢を回せ!夢を鳴らせ!~「音楽水車プロジェクト」は地域をつなぐ~

松山大学法学部准教授 甲斐 朋香

 今年の夏も、学生有志と一緒に岩手に行ってきました。目的は一関市千厩町せんまやちょう奥玉地区(人口約2300人)にある「飛ケ森キャンプ場」で開催される「とびがもり水車音楽祭」への参加。昨年に引き続き、2度目の訪問です。

 事の発端は愛媛大学・松山大学連携事業でした。学生をメインとする若者有志の企画・運営により、地域の方々と一緒にアートやデザインについて学ぶ「場」を創出する、というプログラムを提案して、両大学から2014年から2年間の助成を受け、SENSEというグループで活動をしてきました。

 水の力を借りて、小型ワゴン車サイズの精緻なからくり装置=「ミル」を動かし、生身の人間と共に音楽を奏でるという「音楽水車プロジェクト」を見つけ出したのは、学生企画スタッフのひとりでした。彼女は、内子町石畳地区(人口300人ほどの山里です)に住民の手で復元されている「水車」とアートとのコラボ企画をと考えたのです。

 私達の突然の提案にもかかわらず、石畳の皆さんは長年の地域おこし活動の経験を活かし、私達をサポートして下さいました。そして2016年2月、「ミル」の制作者である「岩手・千厩せんまやチーム」―本職はミュージシャン、自動車整備工や現・元大工と多種多様です―8名が、1台の改造マイクロバスに「ミル」を乗せ、片道2日間かけて、約1300㎞離れた石畳へやって来ました。

 こうして実現した「音楽水車プロジェクトin内子町石畳」。当日は悪天候に見舞われましたが、苛酷(?)な体験を通じて絆が生まれました。

 同年9月の「とびがもり音楽水車祭」には、SENSEチームに加えて石畳からも3名の方々が参加。千厩せんまやの皆様の計らいにより、自治会の皆様との交流会も開いて頂きました。同12月には、 千厩せんまやチームから2名が豪・パースへ海外遠征。音楽水車プロジェクト主宰者の岡淳(おか・まこと)さん、その音楽仲間のMace Francisさん等現地の方々と一緒に、太陽光エネルギーで動くMusic Millを新たに制作し、地域のイベントでお披露目しました。岡さんは今年11月の「石畳水車祭」にも参加予定とか。

 一時は不要論さえも出たという「飛ケ森キャンプ場」。「とびがもり水車音楽祭」は、その活用方法を住民と行政の方々が協働で考える中から生まれたものといいます。多様な人々をつなぐアート―その力を借りつつ、今後も交流を続けていきます。

音楽水車プロジェクト URL: https://www.facebook.com/MusicSuisha/
学生団体SENSE URL: https://www.facebook.com/SENSE-matsuyama-be-School-772790876087596/