新年度を迎えるにあたって

松山大学法学部長 倉澤生雄

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
 人生の中で新たな一歩を踏み出した皆さんのことを、心より祝福いたします

 この春は異例の事態を迎えることになりました。学校の休校措置により、自宅で過ごすことを余儀なくされていたかもしれません。また、皆さんが、高校最後の思い出として心待ちにしていた卒業式も、中止または規模を縮小して実施されるなどしたため、どこか、心の区切りをつけられないまま春休みに入ってしまい、そのまま新年度を迎えているかもしれません。そのうえ、大学の入学式も中止になってしまいました。季節柄感じられる高揚感をそのまま表現するのも控えておこうと、なんとなく抑圧された日々を送っているのではないかと思います。

 高校までの過ごし方と、様々な点で異なる大学生活を始めるにあたって皆さんは期待と不安の双方を抱えていることと思います。とりわけ、異例の事態のさなかに新年度を迎えていることから、不安の方が上回っているかもしれません。でも、安心してください。私たち大学の教職員は、皆さんがスムーズに大学生活に移行できるよう、あらゆる面でサポートをしていこうと考えています。とりわけ、法学部の教職員は、皆さんが所属する基礎演習Ⅰの時間を軸にして、1年間を通して皆さんの状況を把握するようにしています。大学生活を始めるにあたり、学業面に限らず、生活面でも不安なことがあれば、教員または、教務課の職員に躊躇することなく申し出てください。今年度は、大学が、突発的かつ緊急的な措置をとることも予想されます。例年通りの対応をスムーズに進めていくことが困難になることも見込まれますが、私たち教職員は、皆さんからの申出に対して、放置することなく向き合って一緒に解決をしていきます。

 異例の事態の中で生きることは、マイナスのことばかりではありません。私たちが普段は気付かずにやり過ごしてきた日常について、改めて、向き合うことを余儀なくさせてくれます。これは、未来を創り出すには絶好の機会にもなります。これまでの時代の中で、形作られてきた制度または考え方の中で私たちは暮らしています。しかし、改めて日常に向き合ってみましょう。日常の中のどこに限界が存在しているのか、そしてどこを変えていくべきなのか、また、皆さんがこれから歩んでいく時代の中で、何を創り出すことが求められているのか、たくさんの手がかりを得ることができるはずです。これから始まる大学生活の中で、自分の手と頭を使って、未来への手がかりを見つけていってほしいと考えています。