田房教平さん (2017年3月卒)
関西学院大学大学院司法研究科

1司法試験を受験するきっかけは、姉の存在と今村ゼミに所属していたこと

 司法試験を受験するきっかけは、司法試験を合格して法曹として働いている姉の存在と今村先生のゼミ生になったことにあります。大学進学する際、姉はすでに法科大学院性として勉学に励んでいました。そのような姉の姿を見て、法科大学院の存在や司法試験のことなどを認識し、憧れの気持ちを抱いていました。大学入ってからも、しばらくは自分には無理だと思っていました。しかし、大学2年生の時、刑法の質問をしようと今村先生の研究室に伺った際、先輩方(駒居卓郎さんとその同級生)が法科大学院進学のための勉強会をしていることを知り、法科大学院への進学を身近なものであることを確信し、進学・司法試験の受験を決意しました。

2法科大学院に入学するまで

私は、駒居さんと同様に未修コース(3年間修学するコース)を選択したため、法律の勉強よりも小論文の勉強を中心に2年生の中頃から始めました。文章を書くことが得意ではなかったため、先輩方の書いたものを参考にして書き方を学び、勉強会で今村先生や倉澤先生の指導を仰いでいました。小学校の時から少人数のために複式授業を受けていた私にとっては、この勉強会は居心地が良い上に丁寧に指導して頂けるので、着実に成長していることを実感できる有意義な時間でした。第1志望の大学院に進学することはできませんでしたが、今では関学ロースクールに進学してよかったと心の底から思えるようになりました。

3法科大学院に入学してから苦労したこと

 法科大学院に入学して苦労したことは、勉強方法の確立です。法学部に所属していたものの、基本書をまともに通読したことがなかったこともあり、どのように勉強すればいいかわかりませんでした。「司法試験は論文式試験がメインだから、問題演習を中心に行おう」と思い、授業の予習2:問題演習8くらいの割合で勉強していました。しかし、内部試験では全くいい成績が取れませんでした。春学期の全体順位は下から数えた方が早いくらいに成績不良でした。「このままでは3年間勉強しても司法試験に合格できない」と思い、成績優秀者に話を聞き、勉強の仕方を確立していきました。その話を参考に基本書(教科書みたいなもの)や判例百選(実際は100個ではない)を繰り返し読み込み、各法律の基本的な考え方を体得することに努めました。この勉強方法に変えてから、成績は一気に上昇したので、地道な勉強方法が一番の近道であることを実感しました。

4松山大学に在学中と法科大学院進学してからの勉強法は大きく異なる

 松山大学に在学していた際は、先輩方や先生方に対する甘えもあり、主体的な勉強を十分にできていなかったと回顧します。もちろん、勉強会では先輩方や先生方の貴重な意見を聞くことにより自分自身の知見を広めることができたのですが、そこには主体性が備わっていなかったため、疑問点を追求していく姿勢に欠けていました。そこが、当時の私が反省すべき点だと考えます。
 法科大学院に進学してからは、試験本番から逆算して、勉強計画を立て、日々の勉強を主体的にこなしていくことに努めるように心がけていました。先述した私が法科大学院在学中に確立した勉強方法は、何ら特別なものではありません。しかし、結果につながる勉強法であることは成績が上昇したことや司法試験に合格したことから、自信をもって言えます。

5コロナ禍での試験勉強と入院生活

 昨年から感染流行が続いている新型コロナウイルスの影響は、司法試験にもありました。4月8日に緊急事態宣言が出されて、5月に予定していた司法試験が3カ月延期になり8月に実施することとなったのです。試験まで残り1カ月のところで延期になったことは、正直もう頑張る気力がほとんど残ってなかったため、とてもしんどかったです。特に私は、一人暮らしの自宅にネット環境やテレビも設置しておらず、緊急事態宣言下で学校も一時閉鎖になり、コロナ感染を恐れて友人とも会えないという生活の中で、一時入院をしなければならないほどに体調を崩してしまいました。結局病気の原因は不明のままですが、入院したことが私にとっては、いい気分転換になってよかったと思います。

6試験本番の実感等

 8月に実施された司法試験を受験した直後の実感は、短答式試験で落ちたかもしれないと思いました。短答式試験は、憲法・民法・刑法の3科目のマーク式問題で最終日に実施されます。この試験に合格できないと論文式試験の採点すらもしてもらえないので、とても重要な試験でした。今年度の司法試験は民法の大改正を反映した初めての試験でした。全体のボーダーラインが例年よりも15点も下がっていることからも難化したことが窺われます。そのような中で短答式試験を突破できたことはとてもうれしかったです。
 論文式試験については、行政法以外は普段通りに解けたこともあり、ある程度の自信がありました。しかし、行政法については問題が難しい上に、試験中に鼻血を流血するトラブルに遭ったので、途中答案を作らないことだけを目標に頑張りました。

7法科大学院への進学を考えている学生に対して伝えたいこと

 私は松山大学法学部に所属していましたが、在学中の成績は程々で群を抜いて優れているわけでもありませんでした。もちろん、合格までの道のりはとても大変なものでしたが、しっかり努力して勉強すれば司法試験に合格することもできます。私にできて皆さんにできないわけがありません。ただただ最後まで諦めず頑張り続けただけです。これから松山大学の学生さんの中から司法試験合格者がたくさん輩出されることを心から願っています。応援しています。
 最後に、私が前述した困難を乗り越え司法試験に合格できたのは、周りの支えがあったからです。在学中、正直、やめようかと悩んだこともありました。しかし、友人や家族、先生方の励ましの言葉があったからこそ、ここまで頑張ることができました。本当に感謝しかありません。

【今後の目標】

 この社会は互いに立て合い、扶け合うことによって成り立っています。これまで支えてくれた方々に法律家としての活動を通じて恩返しをしたいと思います。そして、今、コロナの影響により、たくさんの方々が失業し、生活に困窮しています。このよう社会的・経済的弱者を、法律を通じて救い上げることも法律家の使命であると思います。これから私がなる法律家は社会のトラブルを法律によって解決することが1つの大きな目標になりますが、ただただ問題を淡々と解決するのではなく、トラブルの渦中にある当事者に寄り添い、心から助けられるような法曹になりたいと思います。