労使関係法 ―集団的労使関係法と個別的労使紛争処理制度― (晃洋書房)
法学部 教授 村田 毅之
Takayuki Murata
2015年に『労使関係法―集団的労使関係法と個別的労使紛争処理制度―』(晃洋書房)を刊行しました。
日本では、労働組合と使用者による団体交渉という集団的な労使の話合いの場が、憲法により保障されています。しかし、労働組合に組織される労働者の割合は、長期的に減少し、労働組合の影響力が低下し、全体として見た団体交渉の機能も低下しています。また、労働法による規制が流動化し、個別的労使紛争が多発しています。
私は、30年程前から、一貫して労使紛争処理制度について勉強してきました。当初は、必ずしも他の労働法の先生方に共感を得られるテーマではありませんでした。しかし、とくにこの16年ほどで、都道府県労働局の紛争調整員会や労働審判制度、社労士会の労働紛争解決センターなど、個別的労使紛争を処理する制度が新たに展開し、大きく注目を集めるようになりました。幸いなことに、東京都の労政事務所や、都道府県労働局の紛争調整員会、労働委員会における労使紛争処理の現場に携わる経験をすることもできました。
本書は、労働組合法をはじめとする集団的労使関係法を論じるともに、個別的労使紛争処理制度の基本的な姿を概観していただくために刊行したものです。
【略歴】
- 1957年
- 青森県青森市生まれ
- 1976年
- 青森県立青森高等学校卒業
- 1980年
- 明治大学政治経済学部経済学科卒業
- 1980~82年
- 東京都職員(千代田区立永田町小学校事務主事)
- 1988年
- 明治大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得
- 1993~00年
- 明治大学法学部非常勤講師
- 2000年
- 松山大学法学部講師を経て助教授
- 2006年4月~
- 松山大学法学部法学科教授(現在に至る)
- 2012~14年
- 松山大学法学部長
- 2013年9月~
- 社会保険労務士総合研究機構所長
- 2016年5月~
- 愛媛県労働委員会会長