研究室訪問(明照先生)

ゼミの年間予定

ゼミの年間予定 明照ゼミ 2016.5.26PDF_icon_s


学生からのメッセージ

  1. 在校生
  2. 出身地
    岡山県
  3. 大学生活の様子

     私は県外から松山大学に進学して来ました。この大学では、色々な資格講座があったり、それぞれのゼミに別れて少人数で学部の中でも自分の勉強したい分野を勉強することができます。なので、自分の勉強したいことをしっかりしながら将来の夢へ進んでいける充実した学習が出来ると思います。
     そして、学習面だけでなく、サークル、部活動種類も多く、環境も充実しています。また、松山は学生が多いので学生に暮らしやすい所だと思います。私は県外から来て不安でしたが、とても充実した大学生活を送っています。
     なので、松山大学は充実した大学生活を送るのに最適な学校だと思います。

以上


  1. 卒業年
    2013(平成25)年3月
  2. 出身地
    徳島県
  3. 就職先
    メンテナンス業(事務機器)
  4. 就職先の様子

     私は、就職してから3年が過ぎました。今は毎日お客さまのオフィスにお伺いし、コピー機のメンテナンス業をしております。
     社会人になって驚いた事は、私の仕事が資格が必要ですので、学生の時よりも勉強するという事です。
     さらに、お客さま一人一人とのコミュニケーションが大切なので、神経を使い日々奮闘しております。
     今の私の仕事は専門的な法律の知識は、さほど必要ありません。しかしでは、法学部で学んだ知識が全く無駄だったのかというと、全くそんな事はございません。
     読む文章は違えど、専門書は法文章と同じように読みやすくは書いてくれていません。難しい表現方法や言い回しには強くなったと自負しております。
     また、作業報告など、お客さまとのコミュニケーションの場でも、お客さまの期待や意図を読み取るという事に関して、法学部の授業を通して、学ばせて頂いた、相手の気持ちを読み取ることが活きていると思います。

  5. 大学時代を振り返って

     私自身の卒業後の振り返りでは、やはり4年間学ばせて頂いた法律の世界に携わる仕事が出来なかった事に関しては何処か後悔という心残りがあります。
     しかし、今の状況を悲観する事なく、今自分に出来る最高の努力を持って仕事を頑張り、松山大学法学部卒業生として恥ずかしくないような社会人となり、弊社だけではなく、社会全体に貢献できるよう努力し続けていく所存でございます。

以上


  1. 卒業年
    平成25年3月
  2. 就職先
    愛媛県警察
  3. 大学生活で学んだこと
    • (1)勉強面

       法学部所属ということもあり、法律に関する用語や知識を学ぶことができたのはもちろんですが、なにより勉強の機会、そして勉強の方法を学ぶことができたと思います。
       定期試験では、初めて学ぶ法律用語に四苦八苦しながらも、講義で学んだことを思い出し、自分なりに文章を組み立てました。
       拙い文書も次第に上達し、何とか論文に近づける回答を作成できるような文章能力は身についたのではないかと感じています。
       文章の形式が重要と教わりましたが、入学直後はその意味すらも分かっていなかったことは今となっては、よい思い出です。

    • (2)私生活面

       私生活面においては、大学の授業以外の場での友人との交友、またアルバイトを通しての社会常識を学ぶことができました。
       私は出身が松山ではなかったため、松山での生活全てが新鮮に感じ、友人と昼の街の散策や夜の街に出歩くこともあり、これまで体験できなかった土地での生活や、遊びを体験できました。
       ゼミ活動を通して知り合った友人たちとは現在も交友を続けており、友人たちと集まった時には、大学生活を懐かしみつつ、現在の仕事の愚痴や私生活の話等、語らいあっています。

  4. 就職先の様子

     大学を卒業し、警察官を拝命後、警察学校での半年間の教養を終え、現場に配属されました。
     現場での交番勤務は本当に様々な仕事がありました。
     交番での出頭人対応、交通事故処理、交通取り締まり、喧嘩現場等、ここに記載しきれない現場がたくさんありました。
     まだまだ警察人生長いですが、大学で学んだことや、作った友人との関係を大切にしつつ、仕事に励んでいきたいと思います。


刑法は、「クイズ」ではありません。

刑法 明照 博章 准教授

法学部 教授 明照 博章
Hiroaki Myosho

 現在、法律を題材にしたテレビ番組がしばしば放映されています。高校生の段階では、見て楽しいというレベルでもそれほど問題ありませんが、「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」(裁判員法)が成立してから1年が経過しようとしているこの時期において、もうすぐ成人となる(それも法学部の)学生が上記のレベルでは「かなり」問題です。と申しますのも、平成21年(2009年)5月までには裁判員法の効力が現実に発生するからです。そして、裁判員法が施行された場合、裁判員は選挙人名簿より無作為抽出で選ばれるので、あなた達も、裁判員として、「刑事手続」に参加することが十分予想できるのです。そこで、以下では、刑事裁判の根幹をなす実体「刑法」を中心に説明します。

 刑法には、「犯罪」と「刑罰」が規定されており、例えば、刑法199条の「死刑又は無期若しくは五年以上の懲役」の部分が「刑罰」であることは「直ちに」わかると思います。ところが、「犯罪」については、事情が異なるかもしれません。この点に関して、「刑法上の犯罪」を調べてみると、川端博著『レクチャー刑法総論』(法学書院、2003年)40頁によれば(これは、1年生の後期の「刑法I」において教科書として使用する予定の文献です)、「構成要件に該当する違法かつ有責的な行為である」と定義されています。と申しましても「実感」として何をいっているのかわからないでしょう。

 そこで、「犯罪」解明の手がかりとしては、「行為」がありますが、手許にある国語辞典を調べると、「おこない。ふるまい。特に、しようという意志をもってする行い。」という定義が与えられており、犯罪とは、少なくとも、そういう類のものであると理解できます。言い換えると、犯罪は、「しようという意志をもってする行い」であるから、「しよう」という意志(意思)をもって行っていない場合には、犯罪ではないことになります。 再度、定義を見ると、行為が犯罪となるためには、「構成要件」該当性が問題となりますが、これがおかれているのは、「違法」の前ですから、構成要件と違法とは関係があり、さらに、構成要件該当性が違法性判断の前提になっていると推測できます。違法とは、要するに「悪いこと」ですが、上のような関係にあるとすると、構成要件は違法(悪い)行為の類型化であるということになり、言い換えると、構成要件に該当すれば、違法性が推定されることになります。

 ところが、ここでは、違法性が「推」定されているだけですから、構成要件に該当するだけでは、その行為は、違法であることが「確」定されるわけではないのです。例えば、Aは、Bからナイフで刺されそうになったので、その攻撃に対して防衛するためにやむを得ず、Bを撲殺した場合、当然に、Aは違法な殺人行為を行ったとはいえないのです。なぜならば、Aには、正当防衛が成立し得るからです。このような違法性がなくなる(阻却される)根拠(事由)がない場合に、「行為者(A)の行為は違法である」ことが確定するのです。

 以上までのところで、行為者の行為が「違法行為」であると「確定」されましたが、彼には、「即座に」犯罪が成立するとはいえません。犯罪は、構成要件に該当する違法かつ「有責」的な行為ですので、犯罪成立には、有責的でなければならないからです。言い換えると、行為者の行為が違法行為であっても、「直ちに」犯罪が成立するわけではなく、行為者を「非難」できなければならないのです(違法性と責任の関係については、川端博著『集中講義刑法総論』第2版(成文堂、1997年)133-4頁参照。この文献は、刑法の「発想法」が書かれております)。

 ここまで、簡単に、刑法上の犯罪について説明してきましたが、これで、よく理解できたという方は、『レクチャー刑法総論』を読み進め、あわせて、川端博編著『刑法判例演習』(北樹出版、2004年)も読破して下さい。理解できなかった方は、直接質問して下さい。わかったところから説明を続けて行きたいと思います。