この先も続いていく人生を見据えて

松山大学法学部学部長
倉澤生雄

 卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。
 保護者の皆様におかれましては、無事に卒業式を迎えることができ、安堵なされていることと思います。

 今年度は、コロナウィルス感染対策のために、みなさんのキャンパスへの入構を制限する期間がありました。また主としてオンライン講義を実施したため、オンラインに難なく切替えの出来た者、抵抗を感じた者、オンライン講義で意欲をそがれた者さまざまであったと思います。課外活動も大幅に制限されてしまい活躍の場を失った者もいたと思います。このようにいつもと違う大学生活の中にあっても、卒業まで努力をしてこられたみなさんにまずは敬意を表したいと思います。

 法学部では、みなさんが法律または政治に関する専門用語を用いた文章を読み、理解し、表現できる者になれるよう、カリキュラムを通じて教育をしてきました。この教育内容及び方法が、果たして十分であったのかどうかは、われわれ教員が不断に検証していかなければなりません。それはともかく、みなさんは人生の黎明期を終え、これから、それぞれが選択した人生を自分の足で歩んでいくことになります。みなさん一人一人の人生は、日本の法制度及び政治と無関係に存在しているものではなく、常に影響を受け続けていきます。自分の身の回りで起こっていることと日本ひいては世界で起こっている出来事と常に関連付けられるようアンテナを張り巡らし、自身で読み解いていってほしいと思います。そして、われわれ教員が行ってきた教育内容が、みなさんの人生の依って立つ基盤となり、みなさんが困難に陥ったときの導きの糸となれることを願っています。

 最後になりますが、松山大学の教員及び職員は、みなさんが社会において成長を続けおおいに活躍していくことを楽しみにしています。どうぞ、健康に気を付けてよりよい人生を歩んでください。

2021年3月19日

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