松山大学法学部教授 明照 博章
交通ルールが変わります。
新年度開始に伴い、2026年4月から、新生活が始まる人は少なくないと思います。
新学期開始に伴い、通学・通勤の手段が変わり、場合によっては自動車や自転車を使うようになるかもしれません。ところが、この4月から随時、今までとは異なる交通ルールが適用されます。道交法の改正があったからです。
例えば、4月からは、①自動車が自転車の側方を通過する際、接触の危険がない「十分な間隔」を取る必要があり、自転車も、追い抜かれる際には、できる限り道路の左側端に寄って通行する義務が課されます。また、②自転車の交通違反に対する交通反則通告制度(青切符)が導入されます。
9月からは、③「生活道路」(主に地域住民の日常生活に利用されるような道路)の法定速度が、一律30km/hに引き下げられます。
交通ルールが必要かつ重要である理由は?
自動車走行は、そもそも危険です。しかし、現在の日本の日常生活を維持するためには、自動車は不可欠です。そこで、その調整として、交通ルールが用意されています。これが「交通ルールが必要かつ重要である理由」です。
以下、順次説明していきます。
自動車走行は危険である
自動車走行は、もともと、危険です。軽自動車であっても、車両重量は、700kg~1,000kg程度とされています。
ラグビーのフォワード選手8名がスクラムを組んで突進することを想像してみてください。一人の体重が100㎏として、全体で800㎏の集団が近寄ってくる。その突進に耐えることができる人は、どれぐらいいるでしょうか?
自動車の場合は、軽自動車ですら、800㎏を超えることが通常であり、移動速度も、40㎞/h以上であることが普通だと思います。
スクラムを組んだ人の体当たりですら耐えられないことが多いと考えらえる以上、鉄の塊である自動車の衝突に耐えられる人は、絶望的に少ないと思います。
現在の日常生活を維持するために自動車は不可欠である
ところが、自動車走行は危険だからといって、使用禁止とはできません。自動車を使用禁止しても、生活に支障がない人は、日本にはほとんどおらず、生命の危険にさらされる人がほとんどだからです。食糧の確保・ごみの回収等生活基盤を支えるために、自動車は、不可欠だからです。
自動車走行を無害化する方法としての交通ルール
自動車走行を無害化する方法として、交通ルールを設定し、このルールに従えば、自動車走行を無害化できることにし、自動車の無害走行が可能な人物に免許を交付することにしています。
自動車免許制度は、「論理的には」自動車の無害走行が可能な技能を持った人物であることを証明する「免許」を持っている者だけが公道で自動車を走行できることにしています。免許を有する者は、自動車の無害走行が可能だからです。
交通ルールの変更の意義-交通ルール遵守の意義
今回の交通ルールの変更は、自動車の無害走行が可能であることを、より実質化するために、行われます。
今回は、自動車だけでなく、自転車の無害走行も射程に入っています。
以上から、交通ルールを遵守することは、自動車の無害走行を実現し、「現に存在する普通の」日常生活を維持することにつながります。
日常生活を維持するためにも、交通ルールを遵守していきましょう(希望)。