災害時の現地支援活動

松山大学法学部教授 江村義行

 日本は災害の多い国です。現地の復旧、復興は重要な課題です。皆様の中には災害ボランティアに参加し、現地支援活動に取り組むことを検討している方もおられるでしょう。以下では初めて活動に取り組む方を想定して記します。

一 社会福祉協議会と災害ボランティアセンター
 災害時には現地の社会福祉協議会が災害ボランティアセンターを設置します。スタッフが被災した方のもとを訪れ、様々なニーズを調査します。また作業量(人員、道具、時間等)を予測し、準備を行ってボランティアの受入態勢を整えます。これには時間が必要ですから、焦らずに情報発表を待ってください。その間に準備(情報収集、装備、保険、予防接種等)を行いましょう。

二 情報収集
 現地支援活動では情報収集を行うことが大切です。主な情報は全国社会福祉協議会のウェブサイト<https://www.shakyo.or.jp>に掲示されます。ここから災害ボランティアセンターの設置状況や受入状況を確認します。受入の有無や対象地区等の条件は様々です。自分が条件を満たしている場合は申し込みを検討します。なお、自治体や社会福祉協議会等に直接問い合わせることは避けてください。先方の負担になるためです。また当日の天候次第で作業が中止になることもあります。適宜、ウェブサイトを確認します。

三 装備と安全
 作業内容に応じた装備を整える必要があります。例えば水害の場合は高性能粉塵マスク、ヘルメットまたは帽子、安全長靴及び踏抜防止中敷、作業着、ヤッケまたは雨具、厚手のゴム手袋等が必要です。また怪我に備えて破傷風の予防接種を受けておきます。踏抜防止中敷は鉄または特殊繊維の中敷です。これを靴に入れておけば、釘やガラスを踏んだ場合に足裏を保護してくれます。安全長靴には踏抜防止中敷が入っている製品と入っていない製品があります。必要に応じて踏抜防止中敷を入れます。釘を踏むと靴底を簡単に貫通しますから、必ず踏抜防止中敷を入れましょう。

 作業は安全第一です。無理をせずに取り組みます。危険を予測し、それを除去することを最優先に行います。自分のことだけでなく、作業現場の全体を見て周囲の安全にも気を配ります。参加者同士で安全を確保しましょう。

四 ボランティア活動保険
 現地支援活動は自己責任と言われます。個人で活動を行う方は必ずボランティア活動保険に加入します(一方、学校の管理下で活動を行う場合は学生保険の対象となります)。保険加入は受入条件になっています。最寄りの社会福祉協議会でボランティア活動保険の加入手続きを行うことができます。現地支援活動は天災プランが適しています。ボランティア活動保険の補償期間は4月1日午前0時から翌年3月31日午後12時までです。

五 移動
 現地支援活動に赴く場合は原則として公共交通機関を使用し、駅から現地まで徒歩で行きます。自家用車の利用は避けます。現地には基本的に駐車場がありませんし、緊急自動車の通行の妨げとなることがあるためです。他方、例外的に自家用車の利用が許容される場合もあります。この点は情報収集が必要です。

 災害時には土砂崩れ等により、公共交通機関が不通になっていることや道路が通行止めになっていることがあります。鉄道が不通の場合は代行バスを運行していることがありますので、鉄道会社のウェブサイトから確認しておきます。往復の交通経路及び宿泊については慎重に検討しましょう。

六 心構え
 現地支援活動の本質は人と地域に寄り添うことです。現地の方のご心労を思い、傾聴を心掛け、謙虚な気持ちで活動に取り組んでください。その土地に対する敬意を持つことから始めましょう。心構え等についてはレスキューストックヤードのウェブサイト<https://rsy-nagoya.com/volunteer/volknowledge.html>が参考になります。

七 最後に
 活動後に心的外傷後ストレス障害(PTSD)のような症状が出ることがあります。信頼できる家族や友人と会話をして心を落ち着けてください。

 復興には長い時間が必要になります。現地支援活動は息の長い活動であることが望ましいです。「身の丈支援」という言葉があります。無理をせず、身の丈に合った支援を行うことが大切です。そうすることで長く支援活動を続けることができます。復旧、復興にはそれを支える若い力が必要です。皆様が現地支援活動に取り組み、災害復興を支える力となることを期待しています。

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