松山大学法学部教授 銭 偉栄(セン ヨシハル)
自転車をこぎながらスマホを見る。危ない、危ない。
私もいわゆる「ながら族」の一人ですが、スマホを見ながら自転車に乗ることは絶対にしません。
ご飯を食べながらスマホを見るのか。それともスマホを見ながらご飯を食べるのか。寝ながらスマホを見るのか。それともスマホを見ながら寝るのか。もはや、どちらが主でどちらが従なのか分からなくなった時代です。
歩きながらスマホを見ることもよくあります。かつて一度だけ、電柱にぶつかったことがあります。なんと、電柱が折れてしまいました――と言いたいところですが、もちろんそんなことはありません。頭にこぶができるだけです。
最近のスマホは機能がずいぶん向上しました。音声を文字に変換してくれるのです。さっそく試してみましたが、実に便利な機能です。もっとも、ときどき妙な文字に変換されますが、後で確認して直せば済む話です。
昨年9月から、毎朝1時間ほどウォーキングをしています。歩くと頭の回転がよくなるようで、新しい発想やアイディアが、道後温泉の湯のようにどんどん湧いてきます。すぐにでもメモしておかないと消えてしまうので、音声を文字に変換してくれる今のスマホは本当に助かります。実は、このエッセーも朝歩きながら考えたものです。
とはいえ、歩きスマホはやはり危険です。そのようなまねは、絶対にしないでほしいと思います。
出勤途中、スマホを操作しながら自転車を走らせる人をよく見かけます。中には、片手に傘、もう片手にスマホという強者もいます。中国雑技団にでも入れそうな達人だと褒めたくなりますが、スマホを操作しながらの運転は明らかな違法行為です。
今年4月1日からは、その取り締まりが強化され、青切符が切られて反則金を科されることになります。反則金はなんと1万2000円。反則金で済めばまだましです。万が一、人にでもぶつけてしまえば、何千万円もの賠償金を支払わなければならない可能性すらあります。被害者の人生が壊れるだけでなく、加害者の人生も台無しになってしまいます。